渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
(すまない、許せ……)
ガイアスは、カルデアの乾いた唇に口付けると、口内に水を流し込む。
「んんっ……」
カルデアが苦しそうに呻いた。
それを吐き出そうとするカルデアの顔を、ガイアスは両手で固定すると、飲み込むまでその口を塞ぐ。
「……っ、やっと飲んだか………」
そして、ようやくその喉が上下に動き、水を飲み込んだ事を確認したガイアスは、ホッと息をついた。
「カルデア……大丈夫だ、絶対に良くなるからな」
「んんっ……」
まるで返事をするかのように声を漏らしたカルデアに、ガイアスはもう一度吸い飲みから水を含むと、口付けて飲ませた。
***
ヒンヤリとした布が首すじに当てられた感覚で、カルデアは重い瞼を持ち上げる。
すると、布を手にしたガイアスと目が合った。
「ガイ……アス……様?」
「……っ! カルデア、目が覚めたか!」
目が覚めるや否や、ガイアスは嬉しそうにカルデアの手を握った。
それに不思議に思いながらも、カルデアは意識を失う前の記憶を必死に手繰り寄せる。