渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
ガイアスの手が触れる度、気分が落ち着くような、落ち着かないような、どっちつかずな感情が沸くのを、カルデアは感じていた。
(今までに感じたことのない、不思議な気持ちだわ……)
「あの塔の中とは比べ物にならないほど、世界は広い。そんな世界を俺と見よう、カルデア」
「ガイアス様……」
「この俺が、国についたら遠出に連れて行ってやろう」
楽しそうに笑うガイアスに、カルデアは顔を綻ばせた。
(この人を信じられるのは、きっと表情が豊かな人だからね。心が、まっすぐに伝わってくるもの)