渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~


(私には、こうして心許せる友はいなかったから……)


「カルデア、我が国に来たこと、絶対に後悔などさせない」

「ガイアス様……」



ナディア国の船員も、側近であるシュドも、国王であるガイアスも、皆がカルデアに優しかった。

それだけで、ガイアスの治める地がいかに豊かななのかがわかる。

そんなガイアスに、イナダール国を任せたのだ、きっと立ち直ってくれるとカルデアは信じていた。


(でも、アルナデール国の民や、アイルは……我が母国は、きっと今も苦しんでいるわ)


ずっと遠い国へと来てしまったカルデアは、不意に不安に駆られた。

自分だけが大切にされていることに、罪悪感が湧いてしまうのだ。

そんなカルデアの表情が陰ったことに気づいたガイアスは、カルデアの手を強く引く。


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