渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~



「寝室に戻る暇もないとは、どういうことだ!」

「叫ぶなら、手を動かした方がいいと思いますけどね」

「わかっている!」


ガイアスはヤケクソで書類にサインをする。
その間も、頭を支配するのはカルデアの事だった。

側にいれない代わりに、贈り物だけは欠かさず毎日贈っている。

それすらも、マオラ曰く、カルデアはあまり喜んでいない様子だったらしい。


このままでは、落とす前に逃げられる気がして、ガイアスは何度目かもわからない溜め息をついた。


そんな時だ、執務室がノックされて、シュドが扉を開けると、そこにはマオラが立っていた。



「おお、マオラか!」


待っていたと言わんばかりに立ち上がるガイアスに、マオラはお辞儀をして、歩み寄る。


「ガイアス様、贈り物は……」

「お、おう……」


ガイアスは緊張した様子で、ゴクリと唾を飲み込むと、マオラの言葉を待った。


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