渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「完全にフラレましたね」
「海に投げ捨てるぞ」
「余裕の無い男は嫌われますよ。あ、もう嫌われてましたか、失礼しました」
「その発言が失礼だと気づけ!」
(戯言を聞いている暇は、俺には無い!なんとしても、カルデアの心を引き止めなければ……)
ガイアスはシュドを押しのけて、もう一度マオラに向き直る。
「マオラ、ならばカルデアは何で喜ぶ?どうしたら、俺を好きになってくれるのだ」
「やっぱり、ガイアス様はカルデア様に恋をしているのですね!」
「恋……」
初めて瞳に映した瞬間から、ガイアスはカルデアに心奪われた。
みすぼらしい服を着ていても、幽閉されていても、白い雪の精のように、儚く美しいとガイアスは思った。
まるで、この世の者とは思えない、宝石のような美しい生き物を見た気がした。
ただ、話すうちにカルデアは、ただ容姿が美しいだけの女では無い事にガイアスは気づいた。
国のために身も心も裂いて、ボロボロになりながらも、前を向くカルデアの心の美しさにガイアスは心惹かれた。
この胸に、まるで生き物でも飼っているかのように、カルデアの言葉や行動にガイアスは喜び、切なくなったりするのだ。