渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「ガイアス様は、何か雨避けは……」
「俺は男だから、問題ない。だが、お前が風邪でも引いたら困る」
(どんなに強い男の人だって、風邪は引いてしまうんじゃ……)
そんなカルデアの不安に気づいたのか、ガイアスは「大丈夫だ」と言ってその頭を軽く撫でる。
そして、カルデアの後ろにガイアスが跨ると、勢いよく馬の腹を蹴った。
城につく頃には、二人ともずぶ濡れだった。
「ガイアス様、何か布をお持ちしょう」
「あぁ、頼む」
駆け寄っていた使用人が慌てたように布を取りに行く中、カルデアはガイアスにハンカチを渡す。
「すみません、私がローブを使ってしまったから……心もとないですが、これをお使い下さい」
「お前は気にするな、俺がしたくてした事だ。これは、有難く受け取っておくがな」
ハンカチを受取ったガイアスは、安心させるように笑うと、カルデアの頬に張り付いた髪をその手で払う。
(あっ……)
その仕草があまりにも優しくて、カルデアの胸はまた、トクンッと音を立てて跳ねた。