渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「随分濡れたな、悪かった。散々な目に合わせて……」
「え……?」
どこか歯切れが悪く、元気の無い様子のガイアスに、カルデアは首を傾げる。
そこへ使用人と共にシュドがやってきた。
「ガイアス様、急ぎ確認して頂きたい書類が」
「わかった、少しだけ待て」
ガイアスは使用人から布を受け取ると、カルデアを振り返り、その髪をガシガシと強く拭きだした。
「きゃっ……!」
(い、痛いわっ……!)
まるで頭皮を抉るような勢いで髪を拭くガイアスに、シュドは「ガイアス様」と呆れながらその手を止めさせた。
「なんだシュド、執務にはすぐに戻る。だが、カルデアの事は俺にとって最優先事項だ」
「いやいや、そうじゃないですって。カルデア様は女性なのですよ、そんなに強く拭いたら、肌に傷がつきます」
「そ、そうなのか!?」
ガイアスが慌てたように布を外すと、カルデアの髪はぐしゃぐしゃに乱れてしまっている。