私は対象外のはずですが?~エリート同僚の甘い接近戦~
あの日、早足でアパートに戻った私は、部屋に入るなり買ってきたビールを缶のまま一気にあおった。せっかくシャワーを浴びたのに変な汗をかいてしまったせいか、よく冷えたビールが喉を刺激して通過していく。

そして、そのまま脱力したようにベッドに突っ伏したけど、頭は徐々に冷静さを取り戻し、ある点に気がついた。

あれ……? 私、なんで焦ってたんだろう……、と。

確かに、すっぴん干物女の私を見られて、動揺したのは確かだ。これがもし、宮坂主任に好意を持つ女の子だったら、もう立ち直れないくらいのダメージを受けていただろう。でも、私は特に彼のことを意識したことはないわけで……。

完全オフ時の私を見られたからって……別に、気にすることじゃないんじゃないの? それに、主任が私だと気づいてない可能性もあるし。もし、気づいても彼の中で私の評価か下がるだけだし、そうなったとしても私にとって別に痛いことではない。『アイツ、外ではキレイにしてるけど、実はとんでもない干物女なんだぜ』とか会社の誰かに言ったりしたとしても、『うわー、そんなこと言いふらしてこの男最低だなー』ってこっちも思うだけだし。つまり、お互い様。

心に引っかかるモヤモヤ感を消し去るために、そう結論づけた私は次第に落ち着きを取り戻し、特に自己嫌悪に陥ることもなく穏やかな週末を過ごしたのだった。昨日の夜、妹が置いていったDVDの続きを何気なく見始めたら、結構面白くて、ついつい夜更かしをしてしまった。

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