私は対象外のはずですが?~エリート同僚の甘い接近戦~
翌日、金曜日のお昼休みも終わりかけの時間。
昼食後、私はひとり、同じビル内の一階にあるコンビニに来ていた。時間が無い時はもちろん、冬の寒い日や、この時期みたいに真夏の日差しが嫌で外に出たくない日は、こうしてオフィスの一階にコンビニが入っていると、すごく助かる。

購入した緑茶のペットボトルを持ってコンビニを出て社員用エレベーターホールへ向かう。でも、たった今、エレベーターは昇って行ってしまったらしく、扉の前にはワイシャツ姿の背の高い男性がひとり、立っているだけだった。

外回りから戻ってきた営業マンかな?

お疲れ様です、と声を掛けようとしたところで、やめた。

宮坂主任だ……。後ろ姿だけど、わかる。

何となく、一緒のエレベーターに乗るのは気まずい感じがしたけど、階段で上層階まで行く気力も体力もない。それに早く戻らなきゃ午後の業務が始まってしまう。仕方なく、このまま早くエレベーターが一階に到着するのを心の中で祈っていると。

くるり、と宮坂主任の首がうしろを向いた。そして、私と視線が合うと、薄く微笑む。

……頭のうしろに目でも付いてんの、って聞きたい。

宮坂主任は完全に身体ごと私の方に向き直ると、私が持つペットボトルに視線を移す。

「お茶だけなんだ」

彼の呟きに、私の耳が反応する。まるで、あの日のことを示唆されて、今日はプリン買わないんだ、って言われたような気がする。

……私が勝手にそう思い込んでるだけかもしれないけど。

ああ、もう。早くこのよく分からない絡みから抜け出たい。今更だし、どう思われてもいい。

「この前は買いそびれましたけど、いつも甘いもの買うわけじゃないので。それに時間ないですし」

面倒くさくなった私は、回りくどい言い方はせずに、ストレートに答えた。
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