となりの弱虫ヒーロー【短編】
「みさきちゃん、りっくんの事好きだからって独占しないで」


それが、初めて向けられた敵意だった。


あ、そっか、そういうことだったんだ、と思った。


あの言葉の、本当の意味を、やっと理解した。


それでも私は、君の隣にいた。


だんだん、敵意は増えた。


気づけば、もともと友達の少なかった私の周りには君以外誰もいなくなっていた。


それでも、君がいてくれるならそれでいいと思っていた。


なぜなら、君が好きだったからだ。


ずっと、ずっと重ねてきた思いは、増え続ける敵意なんかには負けなかった。


だけど、それは、突然起こった。
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