ぴーす
8月4日
「なぁ、幸子。6組にかわええ女子がおるんじゃろ?」
そう話しかけてきたのは、私が片思いしてる勇太君。
「へぇ、なんて名前なん?」
「それがな、病弱の子ならしゅーて、なかなか学校来んけえ名前知らんのんよ。」
「なんなん、勇太君その子気になるん?」
「いんや、真太が気になっとんよ。」

学校から帰る途中こずえちゃんの家を通った。すると、
「なぁ、あんた、あん時の人?」
見ると、こずえちゃんの家の窓に人影がある。
「え!?誰?こずえちゃん?」
私の大声に恥ずかしそうに返事が返ってくる。
「そうよ・・・・あんたは何て名前なん?」
「うち?うちゃぁ、こずえちゃんと同じ小学校にかよよーる、高山幸子。」
「幸子ちゃん・・・。さーちゃん・・・うちと友達になってくれる?」
唐突な質問にビックリしたが
「ええよ。・・・こっちゃん」
私はこっちゃんにいろんなことを話した。私とこっちゃんが、同じ日に生まれたこと。それと、真太のこともね。
 すっかりこっちゃんともうちとけたとき、こっちゃんが質問してきた。
「なぁ、さーちゃん。なんぼの数字が好き?」
「うちゃぁなぁ・・・2かの。こっちゃんは?」
そのとき見たこっちゃんは凄く嬉しそうだった。
「うちも2なんよ。あんね、指で2つくってくっつけん?」
「ええよ!」
2人は、人差し指と中指だけ伸ばしてそれをくっつけあった。
「ほいじゃ、また明日ね。」
私はすっかり、赤く染まった路地をスキップしながら帰っていった。

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