(完)嘘で溢れた恋に涙する
そのまま、同じクラスの男女10人ほどで帰路を辿る。


「由姫が前におった学校って、体育大会5月やった?」


みんなは私が頷くか首を振るかで答えられるように質問してくれる。


私は大きく頷いてみせた。



「へー、じゃあ1年で体育大会2回もせんばね!
うちらの中学は9月やもん
もう夏休みの間に準備しよったけん、これからは由姫も手伝ってね!
けどねー、うちらの中学の体育大会ってつまらんさね
1学年1クラスしかなかけんそのままやったら競えんやん?
そいけん1クラスば2つに分けて2団作るとけど、そんなんしたら、全学年合わしても1団で30人くらいしかおらんくなるやん?
そいけん最上級生の3年生は大忙しばい」



美結のマシンガントークには相槌を打つ余裕もなかった。


正直、ところどころ方便が聞き取れないし、聞き取れても意味がわからない。


方言って難しい。


一応わかったふりで、目を丸くして驚いているような表情を浮かべる。



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