(完)嘘で溢れた恋に涙する
「おいおい、美結ー。
方便でそんなまくしたてても由姫はわかんねーぞ」


私の隣を歩く理玖が呆れた顔でそう言った。


その言葉に美結は口をアッと開けて私の方に手を合わせて頭を軽く下げた。


「ごめん由姫〜
ついついいつもみたいにしゃべっちゃった」


申し訳なさそうにそう言って謝る美結。


すごくすごくいい子だ。


嫌われたくないなあ。


私は微笑んで首を振った。


「由姫、がばっ、、じゃなくて本当可愛い〜〜
天使だ〜〜
あ、そういえば由姫んちって木下マーケットより遠い?」


美結が少し喋り方に気をつけた様子でまた問いかけてくる。


私は右手を顎において目線をそらし考えるそぶりを見せる。


木下マーケットはこの島唯一のスーパーだ。


この島の人は食料も、衣服も、生活用品も全てそこで買っているらしくて、重宝されているんだって。


その店は私が朝、登校するとき家を出て5分くらいしたところにあったはず。


つまり木下マーケットより私の家は遠いってことだ。


美結の方を見て頷いた。


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