(完)嘘で溢れた恋に涙する
「えーーまじで!
それならうちと近くかもー!
一緒に登下校しようさ!」


大きく口を開けて笑う美結にそう誘われて頷こうとした瞬間、ふいに腕を横から掴まれる。



振り向けば、そこには理玖。



少し小麦色に焼けた健康的な腕が私の腕を握っている。



「美結、悪いけど諦めて。
俺が由姫と登下校するから」



いやそんなの聞いてない。


目を点にして理玖を見つめていると、反対側からも腕を掴まれる。


それはもちろん美結。


「はー?
由姫驚いとるやん!
絶対嘘やろ!」



そのままグイッと美結の方に引っ張られる。



「由姫は俺と登校したいんだよ。
ごめんな、美結」



「絶対違うし!
独占欲強い男は嫌われるらしかよ!」


「別に独占なんてしてねーし」



< 23 / 381 >

この作品をシェア

pagetop