透明人間の色



「このように___」


紫はよどみなく喋り続ける。
そこに迷いは全くない。それどころかどこか涼しげな顔だ。


しかし、確かに今日の朝、東城美香をつけていた時に、中学生くらいに見える男が、こちらと同じく東城美香をつけていた。

多分、あれは紫の部下だ。

それを考えれば、紫は東城美香の全行動を把握したいほどに、彼女のことを気にかけているようだ。

今日の朝のことだって、もうとっくに紫には連絡がいってるんだろう。


でも、好きなら、


東城美香のことが好きなら、
今この場でこんな風に喋り続けることなんて出来るんだろうか?


仮にも、彼女の恋人なのに。


分からない。
何だか考えれば考えるほど、腹が立って、イライラする。



話の内容が全然頭に入ってこない。早く終わらないかな、なんて終わったところで特にすることもないけど。


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