透明人間の色
そんな調子で進んでいった会議は、全く衝突することなく進んでいった。全員名前は聞いたことがある人達で、見たことがある顔も何人かいた。
やっと終わって外に出たとき、外の気温に驚く。
「…熱い」
「そーだねー」
誰にも聞かれていないと思ったから出た言葉に、後ろから同意があって、肩が跳ねた。
「何の用?」
精一杯強がって見せた僕は、振り向かずに声の主に聞いた。
しかし、返事なんてものは返ってなんかこないらしい。
遊ばれているのか?
一瞬そう思ったけど、真相は分からない。
ただ、振り返ったら負けな気がした。
だから、僕は止まってしまっていた足を進めた。
「用がないなら話しかけるな」
嫌みたっぷりにそう言って。
だが、僕は相手が相手だということをまだ自覚してなかったのかもしれない。
「そうだね。早く美香ちゃんとの家に戻らないと」
僕が背後をとっているのは、紫だ。
「じゃあね」
僕はまた止まった足にも気づかなかった。代わりに紫が去ってく音をはっきりと聞いていた。