熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
その日の午後、私は秘書室の定例ミーティングに出席した。
ミーティングは週に一度、それぞれの担当役員の予定や情報交換をする為に行われているけど、実際のところ毎週きちんと出席するのは難しい。
それは他の同僚たちにとっても同じ。
みんな、自分が担当する役員の予定が最優先だからだ。


おかげで、二十人の秘書全員が集まることは本当に稀。
私も、今日は優月がランチ会合で、その時間がぽっかりと空いたから、二週間ぶりに出席できた。
とは言え、会議が終わったらすぐにエントランスで優月と合流しなければいけない。


社長である優月の出張や休暇など、長期不在になる予定は、なるべく前広に伝えておく必要がある。
だけど、社長のスケジュールに関しては経営機密事項も含まれていて、秘書室長と課長までにしか公開されていない。
今日の会議で私が同僚にも共有できたのは、十一月頭から一週間の欧州出張だけだった。


小一時間ほどで会議が終わり、腕時計で時間を確認すると、優月との待ち合わせ時間まで十分ほど時間があった。
遅れずに済むことにホッとしながら、こういう時間こそ、ゆっくりメイク直しをするチャンスだ。
私は会議室を出ると、そのまま真っすぐフロアの端っこにある女子トイレに向かった。
< 112 / 255 >

この作品をシェア

pagetop