熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
十五階からまずグランドフロアに降り、エントランスに抜ける。
そこから更に、長いエスカレーターで地下一階のフロアに降りると、ホテルの地下入口に直結している通路に出た。


地下通路は、地下鉄やJRの東京駅改札とも繋がっている。
この近辺のオフィスビルならば、地上に出ることなく移動できる。
地上だと広い車道で長い信号に何度も引っかかる羽目になるけれど、地下ならもちろん信号待ちなどない。
よく似たビルばかりが立ち並ぶオフィス街では、出口の表示に近隣ビルの名前が記載されているから、地上を歩くよりもスムーズに目的地に着くことができる。


私と優月は、社長室を出てからほんの五分で会場のあるホテルに着いた。
三階にある一番広い宴会場に足を運んだ時、パーティーの準備は経営統括部の社員の手で立派に進められていた。


企業間同士の業務連携、交流が目的のパーティーは、行き来しやすいように立食形式で行われる。
広いフロアのところどころに置かれたテーブルは、使用済みの食器を戻す為だけでなく、よりじっくりと会話できるよう、足を止めるスペースとしての意味もある。


料理が並ぶカウンターは、宴会場の左側に準備されていた。
直線に並べられたテーブルの上に、食器やカトラリー、グラスなどが綺麗にセッティングされている。
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