熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「……俺とじゃ、恋は無理か」
「無理だと思ってるのは私だけじゃない。優月の方こそ、もう今更でしょ」
「だから、俺はっ……」
私が優月から顔を大きく背けて言い捨てた言葉に、彼はムキになったように声をあげた。
「え?」
私は反射的に聞き返しながら彼を見上げる。
優月は私の視線を受けてゴクッと喉仏を上下させて、勢いよく顔を背けた。
そして上体を捩るようにして、身体を起こす。
「綾乃の言いたいことはわかった。でも、なにも本気で婚約解消しなくてもいいだろ?」
そう言いながら私の腕を引いて、ベッドに起き上がらせてくれた。
私がベッドの端に座った体勢になると、彼はしっかりと床に足をついて立ち上がる。
「とりあえず、正式な結婚の日程が決まるまで……お前が誰かに恋をしようとするの、俺が黙認すればいいだけで……」
「それじゃあダメよ」
「なんで!」
歯切れ悪く呟く優月をあっさりと遮った私に、彼は即座に聞き返してきた。
それには私も腕組みをして、背の高い優月を睨み上げる。
「私は浮気したいんじゃない。それに社内じゃ私は『社長の許嫁』って知られてるもの。ちゃんと婚約破棄したって事実が知れ渡らなきゃ、みんな優月を怖がって私と恋してくれない」
「……マジか」
私が胸を張って言い切ると、優月は苦虫を噛み潰したかのような渋い表情を浮かべた。
「無理だと思ってるのは私だけじゃない。優月の方こそ、もう今更でしょ」
「だから、俺はっ……」
私が優月から顔を大きく背けて言い捨てた言葉に、彼はムキになったように声をあげた。
「え?」
私は反射的に聞き返しながら彼を見上げる。
優月は私の視線を受けてゴクッと喉仏を上下させて、勢いよく顔を背けた。
そして上体を捩るようにして、身体を起こす。
「綾乃の言いたいことはわかった。でも、なにも本気で婚約解消しなくてもいいだろ?」
そう言いながら私の腕を引いて、ベッドに起き上がらせてくれた。
私がベッドの端に座った体勢になると、彼はしっかりと床に足をついて立ち上がる。
「とりあえず、正式な結婚の日程が決まるまで……お前が誰かに恋をしようとするの、俺が黙認すればいいだけで……」
「それじゃあダメよ」
「なんで!」
歯切れ悪く呟く優月をあっさりと遮った私に、彼は即座に聞き返してきた。
それには私も腕組みをして、背の高い優月を睨み上げる。
「私は浮気したいんじゃない。それに社内じゃ私は『社長の許嫁』って知られてるもの。ちゃんと婚約破棄したって事実が知れ渡らなきゃ、みんな優月を怖がって私と恋してくれない」
「……マジか」
私が胸を張って言い切ると、優月は苦虫を噛み潰したかのような渋い表情を浮かべた。