熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「ここ、気持ちいいの?」


優月に再び確認されて、私は黙ったままコクコクと頷いて返事をした。
「ふ~ん」と鼻を鳴らすような声が返ってくる。


そこを重点的にマッサージしようとしているようだ。
腰椎を中心に、優月が両方の手の腹を当て、腰を揉んでくれている。


「ふう……気持ちい……」


全身から脱力しながら、私は再び目を閉じようとした。
その途端。


「っ……!」


さっきよりもはっきりしたその感触に、私は再び身体を強張らせてしまう。


「綾乃?」


そんな私にかけられる優月の声は、やっぱり淡々としている、けれど……。


「んっ、はっ……」


気のせいじゃない。
優月は私の背中や腰をマッサージしながら、時々脇に指を滑らせる。
今確かにその指先を胸の膨らみで感じて、私は大きく身体を震わせた。


「ゆ、優月……?」

「何?」

「あ……うう、ん。なんでも……」


一度身体を浮かせて優月を振り返ってみたけれど、私はそう言ってベッドに寝そべり直す。
そうして、優月の手が再び背中に落ちるのを待ちながら、全身に力を込めていた。


けれど、優月は私に触れない。
私は心の中で警戒しながら、顔を横に向けて優月を視界の端っこで探した。
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