熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
カーテンを開けても、無駄に広い庭に遮られ、門の外まで見えるわけがない。
そうわかっていても、私は優月が本当に家の前にいるのか確かめようとしてしまった。


「何? 仕事のこと?」


聞き返しながら、自分でもそんなわけがないと思っていた。
窓にかかったカーテンをちょんと摘みながら、真っ暗な庭に目を向ける。


仕事の話だったら、優月は明日の朝にしてくれるはず。
こんな強引に言ってくるということは、それ以外の、もっと切羽詰まった話に違いない。
そこまで考えて、私はハッとした。


『聞いた。進藤から』


まさに今思い当たったことを、優月の口から素っ気なく告げられる。
ドキッと胸が跳ね上がり、返事をできずにいる間に、『上げて』と被せられてしまった。


結局、進藤さんから話を聞いた優月が、どうしてこんな奇襲攻撃をかけてきたかはわからないまま、彼の妙な迫力に気圧され、私は家に招いてしまった。


応接室にお茶を用意しようとした私を制して、優月はさっさと西の対に続く廊下を突き進んで行ってしまう。
しかも私が追いつく前に、『入るぞ』と言ってさっさとドアを開けた。
最初から私の部屋で話すつもりで来たのはわかっていたけど、やっぱり優月にしては無礼な行動。
私はわけがわからず、ただ困惑した。
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