月華の陰陽師1ー朧咲夜、裏の真相ー【完】


「白、百合姫は?」
 

ダメージもすぐ回復したらしい黒が、また並んできた。


「家。天音についてもらってる。お前の方は無月だけか?」


「縁は争い事苦手だからな。涙雨は勝手に出歩いてる」


「るう?」
 

初めて聞く名だ。新しい式だろうか。


「あ、白に逢わせたことなかったっけ。涙に雨って書いて、るう。鳥の姿の時空の妖異だ」


「………お前、守備範囲広すぎだろう」
 

まさか時空の妖異を配下に置いたとは。
 

かなり高位の妖異だぞ?
 

妖異にはそれぞれ属性がある。


俺の式の無炎は名の通り焔(ほのお)を本質に持つ。


天音は戦闘を得意とする戦の妖異。


黒の式の縁は、こちらも名前の通り縁(えにし)の妖異。


そして無月は夜の妖異だ。
 

その中でも時空の妖異は、かなり珍しい上に霊力の強いものが多い、高レベルだと言われる。

< 24 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop