樫の木の恋(中)
「本当にいたらどうされるのです!」
「そんときゃ、わしも武士のはしくれじゃ。一度言ったことは覆さんよ。というか、そんなに言うんなら、半兵衛が第一勲功を上げれば良いだけじゃろー。」
にやっと笑う秀吉殿は、このお方はそれがしですらも奮起させようとしているのか。言われなくとも頑張るというのに。
なにも言えないでいると再び秀吉殿が口を開いた。
「大丈夫じゃよ。そんな奴おらんさ。」
「殿。」
いきなり声を上げたのは三成だった。三成なら、秀吉殿を選びかねないな。
「お言葉ですが、それがしが第一勲功を上げた暁には殿を要求しますよ?」
案の定三成は秀吉殿を欲した。こちらを見て、にやりと笑った三成に宣戦布告されたのだと悟る。
「お主も変り者よのぉ。構わんよ。わしでいいなら、少しの間好きにさせてやろう。まっ第一勲功を上げたらだがな!」
「必ずや一番に頑張って見せまする。」
そう言って再び三成はにやりと笑ってきた。