大好きだった先生は今日も私を起こす
第一章
「ハンナ〜!学校!遅刻するよ!」
「ん〜‥」
眠たい目を擦りながら時計を見る。
...
8時...
!!!?
「ヤバッ!遅刻!!!」
「何回起こしたと思ってるのよ〜ほんっとに小学生の頃から変わらないんだから...」
呆れて笑うお母さん。
慌てて髪を整え、香水をシュッとかけカバンに手を通す。
「ご飯帰ってきてから食べる!!いってきまーす!」
「...ちょっと!ハンナー!!」
そう言い、家を出た。
2016年、春
校門にある大きな木に桜が咲いていた。
春の香り、新しい友達、別れの季節。
来年の今頃は、社会人。
高校生活最後の一年のスタート。
「ねむ〜 ってか、春なのに暑いよ〜...」
暑いのがなにより苦手な私、ハンナ。
恋愛より、友人とパーっと過ごす方が好きなごく普通の女子高生。
そんな私にこれから大恋愛が待っているとは
誰もが思いもしませんでした。
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