大好きだった先生は今日も私を起こす

「手伝ってくれたから」







「ハンナ〜、帰るよ!」





私を呼ぶ友達、うこちゃん





「は〜い...」






私は、先生を探していた。









だって、明日で二人きりの授業、最後なんだもん。









そう思うと、なぜかすごく、寂しくなって、先生を探していた。






会って話すわけでもないのに。









「ハーンナ!なにぼーっとしてるの!いくよ!」




「うん...」







嫌々下駄箱へ向かう






「はぁ...」




長い長い渡り廊下の先に白いジャージが見えた








いた...!!!










うこをおいて、無意識に先生の元へ走った











「ちょっ!ハンナ!?」




驚くうこに、




「ごめん!!」





そう言い残した。















「また重たいの持ってるの?」



息切れしている私にビックリする先生。







「お前こそ、なんで、」







「わかんない...」







わかんないよ、わかんないよ先生
私、おかしいな
最近おかしいんだ
先生のことずっと探しちゃってる









「今時間あるか」




「あるけど...」





そう言い先生は走って職員室へ向かった。








なんだろう...?







しばらくするのあの柔軟剤の香りがしたと同時に、先生が現れた。







「ん。これ。」








手元には、あの、有名なキャラクターたちの袋。





「えっ」







「いつも手伝ってもらってたから」





「えっと、」



「お礼」


「あ、ありがとう...」



「明日で最後だな、授業」


「うん、寂しい?」




「あほか。気をつけて帰れよ」






先生が初めてプレゼントをくれた...



ルンルンで下駄箱へ向かうと、うことタロウちゃん達が待っていた




「あれれ、その袋はなにかな〜??」


怪しむうこにわたしはとっさに


「わ、忘れ物!」





そう答えた。













先生がくれたプレゼント、





それは、
チョコレートでした。







だけど、私はチョコレートが大の苦手で、袋を開けた時は、やっぱりな、と思った






でも、嬉しさのあまり食べてみた。







「あっま...」









これから、どんどん、この日のチョコレートのような、甘い日々が続く。






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