大好きだった先生は今日も私を起こす







「ハンナ〜これからご飯いこう〜!」



タロウちゃんとカズとうこが声をかけてきた。



「いいよ、けど、私後から合流でいいかな」


「わかったよ!待ってるね」



そう言いみんなと解散した直後に先生から



”あの教室で待ってるよ”



とLINEがきました。









あの教室...





それは、
ふたりきりで授業をした教室。

私が先生に恋に落ちた教室。



先生は、そこで私と話すことを決めてくれた。









暗い廊下を一人歩いてると、
ひとつの教室から明かりがさしていた。





中を覗くと、先生が机に腰を掛けていた





「お、きたきた。卒業生〜!」



そんなこと言われても、緊張と寂しさで笑えなかった。




「やっと、やっと卒業してくれたね!」


「そんなにサヨナラしたかった?」


「まあな〜」





...ばかな人だなぁ本当に。







「退場するときの笑顔すげーよかったよ」


なんて言って、先生と今日までのこと振り返った。




「この教室、変わらず、臭いね...」


「でも、さよならだぞ。さみしいよな」


「うるさいのがいなくなって嬉しいくせに」




あははと笑う先生が紙袋を出して、



「これ。ホワイトデーのお返し。忘れないうちに渡しておく」




と、GODIVAのチョコレートと手紙が二枚。





元々卒業式に手紙が欲しいと言っていたのだけど
私はラインのメッセージで満足していたから
手紙を書いてくれるとは思わず嬉しかった。




「一枚だけ見ていいよ」


と言われ、中身を見た。






そこには...








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