キンヨウビノヒミツ
30分後……聞くんじゃなかった。そう思っていた。
いや、聞いて、きちんとお詫びをするのが筋だというのは判っている。
だけどやっぱり、聞かなきゃ良かった。
相反する気持ちを胸に渦巻かせながら、私はダイニングバーのテーブルに突っ伏していた。
金曜日の飲み会、いろんなお酒をちゃんぽんさせられた私は、足元がおぼつかなくなっていたらしい。
それを最初に送って行こうか?と言い出したのは、私にちゃんぽんさせた当人である栄さんで…
私が抵抗の意を示していたから、前橋君が送っていくよと言ってくれたらしい。
どうやら、佐伯さんの「前橋君が居てよかったね」はこの辺のやり取りを見てのお言葉だったらしい。
聞いても全く思い出せないとは、私の頭は一体なにをしていたのだろうか。
こういっては何だけど、もっとちゃんと働いてほしい。
最近さぼりすぎではなかろうか、私の頭は。