いつも側で君を感じるから。
あの子って…みなみさんじゃ…。
心臓が嫌な音を立てた。
みなみさんは笑顔で新くんの肩を叩いたり、楽しそうに腕を掴んだりしていた。
「えっ、ちょっとあの女誰!?」
泉が私の耳元で騒ぐ。
「多分…元カノ」
「え!」
絶句といった表情で私を見つめる。
私だって驚いている。
まさかみなみさんも南高だったなんて…。
同じ高校受けてたんだ…。
「周りがうるさくて何話してるのか聞こえない!もうちょい近づいてみよっ」
泉が新くんたちに気づかれないよう後ろに回った。
「え、ちょっと泉っ…」
盗み聞きするなんて…あまりこういう事したくないけど…。
「気になるでしょ?」
気にならないわけがない。
「うん…」
私たちは柱に身を隠した。
すると、みなみさんの可愛らしい声が聞こえてきた。