いつも側で君を感じるから。


新くん、約束通り持っててくれたんだ!

でも…他の人に見られてしまった。

しかもよりによって元カノ。

「新の!?なんでこんなの持ち歩いてんの!?」

新くんが無言でみなみさんの手からウサギのマスコットを奪った。

「別にいーだろ、もらったんだよ」

「なにそれっ…そんなの全然新らしくないし」

「うるせー。陽太、教室行くぞ」

新くんと陽太くんがその場を去っていく。

付き合ってること内緒にしてほしいって言ったから…私のことを言わないでいてくれたのかな。

ホッとしたような、悲しいような。

って、なに悲しくなってんの。私が言い出したことなのに。

元カノと同じクラスなら、言わないでいてもらった方がいいもん。

みなみさんもその場からいなくなった後、泉が私の鞄を見て「あれって…」と呟いた。

そう、あの子の相方は今私の鞄についている。

青いウサギの表情が悲しそうに見えた。

「うん…お揃いで買ったんだ。新くん、ちゃんと持ち歩いてくれてたんだ」


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