いつも側で君を感じるから。

「うん…」

「りーちゃん悪い…こんなことになったのは俺の責任だから」

「いえ…八雲さんのせいじゃないです。騙したKINGの人たちが悪いんです!それに…新くんが選んだ道でもあるし…」

そう、心のどこかでいつかこんなことになるんじゃないかって思ってた。

ずっと不安で不安でたまらなかった。

その時スーツを着た人がコツコツと革靴を鳴らして歩いてきた。

見ると50歳くらいの清潔感ある、スラッとした体形の男性だった。

八雲さんもじっとその人のことを見つめる。

その男の人は私たちの近くにある長椅子に腰かけるとはぁっと深いため息をついた。

誰だろう…ここに座るってことは…。

ガラッ

勢いよく治療室のドアが開く。

「市川さんのご家族の方、ご到着されましたでしょうか?」

看護師さんがそう言って私たちを見渡した。
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