記憶の中のヒツジはオオカミだったようです!
「美味しい入れかたを祖父から教わっておいて良かった」
床の上に座る雪乃の肩から右腕に、軽く朔の足が触れている。
その小さな接触が、彼の触れずにはいられないという表れのように感じられて、雪乃は見えないところでこっそりと微笑んだ。
その後は、テレビの画面の中から聞こえてくる話しと笑い声に耳を傾けながら、分厚いカツサンドに舌鼓を打った。
「ごちそうさまでした」
「美味しかったならよかった。皿はテーブルに置いといていいよ」
自分が片そうかと雪乃は言おうとしたが、ソファーの軋む音が聞こえたかと思うと空気が動き朔の足が雪乃を挟んだ。
何事かと後ろを見ようとしたら、顎を掴まれ上をむかされる。
疑問を口にしようとした口は、上から躊躇うことなく覆いかぶさる朔の唇で塞がれた。
朔に背中を向ける状態のまま、上をむかされるという不安定な姿勢でのキスのせいで、雪乃が見えるのは彼の喉仏だ。
ゆっくりと唇が動き、お互いの舌が激しく絡まるにつれて朔の喉仏が動くのが目に入り、なんだか官能的なものに見えてくる。
胸が疼いて、ブラの中で乳首が固く立ち上がり、布に擦れてむずがゆい。
徐々に苦しくなってきて、顎を掴む朔の手に触れると、これ以上ないってほどゆっくりと唇が離れていき、急速に酸素が入ってきて喘いだ。