記憶の中のヒツジはオオカミだったようです!
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「……だから…………用意を…………して…………」
途切れ途切れ聞こえてくる声に、意識が浮上していく。
最初以上のけだるさを体も覚えながら、雪乃はいつの間に移動されたのかソファーで俯せの状態で目を覚ました。
「んーー」
正直、動きたくない。
体はどこもかしこも関節がなくなったみたいにふにゃふにゃしているが、心はこれまでにないほど満たされ充足感で温かく、ふわふわしている。
「ヒナ? 起きたの?」
問い掛ける声に顔だけを向ければ、ジーンズだけを身につけた朔がくしゃくしゃになった髪のまま胡座をかいて、けだるい微笑みを浮かべていた。しゃきっとした姿しか見たことがなかっただけに、情事の後を感じさせる様子は新鮮だった。
「んーー、いちおう起きてる。まともに歩けるかはわかんないけど」
「ははっ、それでも手加減したつもりなんだけど」
「どこがよ。堕落しきってるわ……ところで、いま何時?」
窓の外に目を向けても、外が雪だけに時間が読みづらい。