記憶の中のヒツジはオオカミだったようです!
「恵理子さんとはずっと連絡を取っていたんだ。その中で、ヒナが小説家になったこと、オオカミ関連の物を集めていることを知って、時々……見つけては送ってたんだよ」
「そんなこと、母さんは言ってなかった」
「言わないでおいてもらった。俺の名前が出たら受け取ってもらえないような気がしたし、貢いで物でつってるなんて思われたくなかったから」
そう言われて、ようやく理解した気がする。
コテージにあるオオカミに関する物の数々を見ても、一切驚かなかった意味をーー。
「ねえ、これから先もヒナしか考えられない。時には、自分でも怖くなるほどだけど、永遠に愛す自信があるよ。だから、俺の……伴侶になってくれないかな」
そっと頬を撫でられながら口にされた言葉に、雪乃の心臓はぎゅっと締め付けられた。
これまで結婚したいなんて願望も、家庭を持つなんて未来を思い描いたこともなかった。
プロポーズはどんなのがいいなんて遠いテーブルでの会話であって、雪乃は傍観者になっていた。
告白され、結婚をし、家庭を築くという人生に魅力も、幸福感も理解出来なかったのに、いま朔の口から発せられたことで、ようやく理解できた。
嬉しいと思った。
幸せだと感じた。
そんなことを感じさせられては、答えは一つしかないじゃないか。