ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
「最初から1ヶ月お試しで、っていったじゃん

それで好きになれないなら別れるって

それでもいいって言ったから付き合ったんだよ」






感情を込めずに言葉を落とす俺に、給湯棟の影から覗き見する姿が見えた。






俺たちがいる事に気付いただけじゃなくて覗き見かよ。




後から来たのは俺たちの方だけど、覗き見までしなくたっていいんじゃねーの?





そんな事をチラリ思ったその一瞬に

目の前の加藤さんはポロリと涙をこぼしていてギクリとした。





『私の事…ちょっとも好きになれなかった?

それならなんであんなに優しく接してくれたの?

二人きりで会ってくれてたの?』





か細く震える声で言う姿に、期待させすぎてごめんと心の中で謝る。




だけど





「だから最初に言ったじゃん
加藤さんの事好きかわからないって

好きかどうか知るために一緒にいただけだよ?」





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