ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
『無理に忘れようとするから気持ちに消化不良おこしちゃうんじゃないの!

どうしてまたそのしおりに“もう一度会えますように”ってお願いしない訳?』




「そんなのッー。とっくにしたさ!だけど叶わなかったじゃないか!だから忘れるしかないんだって。忘れないと先に進めないんだって思ったから…!!」





声を荒げた俺に、姉貴は怯むことなく続ける。





『“信じてれば叶う”って、言ってくれたんでしょ?どうして訪ねて会えなかったからってまだ諦めずに信じ続けないの?

彼女の言った言葉を…信じて最初の願い事を叶えてもらったんでしょう?』





確かに言ったさ。信じてれば叶うって。でも…





『最初の願いのようにすぐに叶わなかったからって投げ出さずに信じてみたら?
無理に忘れることなんて出来ないんだってわかったんでしょう?

だったら忘れなくてもいいじゃない。誰だってひとつやふたつ忘れられない出来事があるんだからね。

それを乗り越えて自然と忘れてく人や、心に留めたまま前に進んでく人がいるんだよ。

歩、忘れなきゃ先に進めないなんてないんだよ?』






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