零度の華 Ⅱ


苦しみと驚き、様々な感情が入り混ざっている顔をする鼠(マウス)を横目で見る


あたしはゆっくり唇を離すが、距離はそのまま



たまに通りかかる人には抱き着いているようにしか見えないだろう




「何、の、つもり、だ」


『分かっているんじゃないのか?』




小刀の刀の長さは短いもの

そのため、心臓には届かない


本当は短刀を使いたかったが、人の目が多い中で刀を抜くのは難しい

すぐに追報され捕まるのが目に見えて分かる



何も策を立てないで振り回すのは、ただの馬鹿だ



その点小刀は服の中に隠すことが出来るから便利で、見えることがない



鼠(マウス)は今、自分を振り返っては悔やみ、怒りで満ちているだろう

あたしは未だに小刀を鼠(マウス)から抜かない




『冥土の土産に持っていけ』


「く、そ。さい、しょ、から殺す、つもり、で......」


『お前はよくやってくれた。感謝する、だが、もう用済みだ。お前の存在は必要ない』


< 319 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop