零度の華 Ⅱ
必ずどこかに手掛かりが存在する
直接、住所を調べられないのならば遠回りをしてしなければならない
止めていた手を動かし、キーボードを打つ
そして、次はマウスを手に取りクリックをする
「病院、ですか?」
横から亜紀がパソコンの画面を覗く
『必ず、住所を書かなければならない。そこから見つけ出す』
「病院に掛かっているとは言えませんよ」
『あぁ、分かっている。今は虱潰しのように探すしか方法がない』
「日本だけでも無数にある病院を虱潰しですか。一刻も見つけたいと思う貴女が、何日かけるおつもりです?」
『馬鹿か。調べる範囲はアイツ等の元住所から半径30m以内に絞っている。車で言えば40~45分程度で行ける距離だ。アイツ等はそう離れた場所には行っていない』
「何故、そこまで断言できるのですか?」
あたしは手を止めることなく、亜紀の質問に答える
『前の住所はここから遠くない場所にあった。アイツ等もあたしが近くにいることは分かっている筈だ。それでもなお、近くにいるのならば、おそらく連絡を取っているという奴の助言だろうな』