零度の華 Ⅱ



「しかし、距離が近ければ近いほど、殺される可能性も高くなります。自ら殺して下さい、と言っているようなものではありませんか」


『確かに一理あるが、あたしは一ヵ所に留まるなんて言ってねーぞ?相手が近くまで手を伸ばすのであれば、移動するまでだ』




足取りを掴もうとハッキングをしてくれば、必ず分かる

それが分かったのであれば、また移動をすればいいこと



『橘が連絡をとっている奴...長いからXとおく。Xがあたしと同じ考えを持つ者ならば、移動を繰り返すだろうな』


「面倒な事をするのですね。それに、口で言うほど簡単にできることではないでしょう」


『そんなこと知っている。だが、上手くいかないわけじゃない。思い通りにするんだよ。自分自身でな』




こんなことを言っているが、あたしが誰かから逃げ回るようなこともなければ、隠れるような真似もしない


あたしの場合は自分から会いに行くだろうな




今はそんなことを言っている場合ではない

一刻も早く、あたしは沙也加を探す必要がある


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