零度の華 Ⅱ
「おい、行くぞ」
いつの間にか周りを囲んでいた警察官はいなくなっており、あたしは前にいる2人だけとなっていた
『もう抵抗はしねーから、銃を下ろしてくれ』
「お前の言葉は信用できない」
「遠藤、拳銃を下ろせ」
「鷹見警部!!コイツの言葉を信じるんですか!?」
「その傷では抵抗出来やしない」
鷹見の言う通り、ちゃんとした処置をしてない流れ続ける血のせいで意識を保つので精一杯だった
遠藤は舌打ちをして拳銃を内ポケットへとしまう
『病院に行く前に、あたしから1つ提案がある』
「提案だと?」
鷹見と遠藤は食い入るようにあたしと目を向ける
『あぁ。乗るか反るかはお前達警察だ。あくまで提案でしかない』
「その提案っていうのは何だ?」
鷹見は話を急かす
あたしはそんなこと気にせず、ゆっくりと話し始めた
紅く彩られた月は、あたしの影をそこにしっかり残した......