彼女が消えるその瞬間まで
俺はコンクールの次の日から補聴器をつけるようになった。








それから、何度かピアノを弾こうと試みたが、上手く音程が聴けないのと、










そして、何よりもあのトラウマが蘇るのが怖くて、俺はピアニストになることを諦めたのだ。






そして、ずっと1人になりたくて、人と関わることを避けてしまった。







そしたら、しだいに感情を人に見せることを出来なくなってしまった。










ピアノを辞めたその日から俺が『ピアノの天才』と呼ばれることはなくなった。









たった1回の失敗で、俺の夢は全部壊れてしまったのだ。


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