直感的結婚~恋はこれから~
純平くんは東京の銀行に就職したと人伝てで聞いてはいる。だから、地元で出会うなんて予想もしていなかった。

動揺する私の隣に来た泰士さんは純平くんと対面して、誰よりも冷静な声を出す。


「美琴。こちらの方、紹介してもらってもいい?」

「あ、はい。えっと、こちらは室井純平さんです。で、こちらが……」

「美琴の夫の柏原泰士といいます」

「美琴の旦那さん? 美琴、結婚したんだ……」


私が紹介するよりも先に泰士さんが自ら名乗った。本当のことを言ってはいるけれど、夫と言われると恥ずかしいというよりも照れ臭い。

でも、純平くんにはハッキリと「うん、そうなの」と返した。

彼は泰士さんを上から下までじっくりと見てから、切なそうな表情をする。


「良かった……美琴が幸せそうで。ずっと心配していたし、悔やんでいたんだ。何で手を離してしまったんだろうと。だから、本当に良かった。俺が言うことではないんですけど、柏原さん、美琴をもっともっと幸せにしてあげてください」

「ああ、もちろんそのつもりです」

「純平くん……」
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