直感的結婚~恋はこれから~
その事実はその先輩の口から私に知らされた。


「純平、あなたじゃ物足りないんだって」と言われた時、私の世界は真っ暗になった。大好きな純平と笑えて過ごせることで明るかった世界が暗闇になった。

あの時は全てがどうでもよくなって、自分が何をしているのか全然分からなかった。息をすることでさえも苦しかった。

その頃から友だちだった史華が私を救ってくれた。

あれからずっと恋することが出来なかった。しようと思わなかったからなのだが。



「姉ちゃん? 姉ちゃん! おーい、姉ちゃん」

「美琴? 幸哉くんが呼んでいるよ」

「わわっ、ごめんなさい! 幸哉、なに?」


いけない、心ここにあらず状態だった……。


「さっきの男ことなんかもう忘れなよ」

「うん、分かってる」

「で、父さんなんだけどさ。泰士さんには父さんが楽しみにしてると言ったんだけど、実は違うんだ」

「違うの? あのお父さんが楽しみにしてるなんて信じられないと思ってはいたけど」

「うん、ごめん」


幸哉は私たちを安心させるために楽しみにしていると嘘を言ったらしい。
< 135 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop