直感的結婚~恋はこれから~
母から父は心配性だと高校を卒業して上京する時に教えてもらった。

それで、ただ頑固で口うるさいだけと思っていた父に対する見方が変わった。

離れてみて分かる親のありがたみというもので、一人暮らしをしたことによって、今まで両親に守られていたことを実感した


「お父さんもお母さんもいい人だね。美琴のことを今も大事に思ってくれている」

「はい」


泰士さんに両親のことを言われて、目頭が熱くなる。これから出来るだけ親孝行をしたい。

暗くて何があるのかよく見えない窓の外を眺めながら、明日はもっと話をしようと思った。



「幸哉くん、ありがとう」

「いいえ。お休みなさい」

「幸哉、気を付けて帰ってね」

「おう」


幸哉の車から荷物を下ろして、ホテルの中に入る。想像よりも大きくて立派なホテルに私は目を丸くさせる。こんな豪華なホテルに泊まるのは初めてで物怖じしてしまう。

泰士さんは相変わらず堂々とチェックインをしていたが。

ベルボーイに案内してもらった部屋に入り、私はさらに驚いた。まさかのスイートルームだったからだ。
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