直感的結婚~恋はこれから~
「美琴」

「はい……」

「顔上げなよ。足元を見ていてもつまらないでしょ?」

「そうですけど……だけど、っん……」


指摘されて俯いていた顔を上げると唇が重なった。そのまま肩を抱かれて、彼の方に引き寄せられる。

深くなるキスにそろそろ頂上が近いことを忘れた。何も考えられなくなる。彼のシャツをそっと握る。

頭がぼんやりして力が抜けかけた時、彼の唇は離れた。体は密着したままだから、息がかかる。


「抑えがきかなくなりそうだよ。美琴はいろんな表情をするよね。喜ぶ顔も困った顔も心配する顔も……全てが愛しくなっていく。もう俺は美琴に恋してるかも。今すごいドキドキしてるんだけど」

「ドキドキですか? うそ……」

「何で嘘だと言うんだよ。ほら。どう?」

「ほんとだ」


冷静な顔で何を言っているんだろうと思った。泰士さんがドキドキするなんて信じられないが、彼の胸に手を当てると早い動きが伝わってきたから驚く。

本当にドキドキしてる。

私と同じだ。

なんだか嬉しい。
< 60 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop