直感的結婚~恋はこれから~
「父さんの好きなのを美琴に話したら、わざわざ買ってきてくれたんだよ」

「そうか、嬉しいねー。大事に飲むよ」


泰士さん……なぜあなたは淀みなくそんな嘘が口から出てくるのでしょうか。

平然と嘘を吐く彼を唖然として見ると、彼は私の背中に軽く手を触れて、小声でもっと汗が出てくることを言う。


「悪いけど、母さんを手伝ってきてくれない?」

「あ、はい!」


お母さんがキッチンで料理しているのを知っているのに私は何で呑気に座っていた?

泰士さんに言われるまで気付かないなんて、なにやっているのよ!

ダメじゃないか。

心の中で自分に叱責をして、キッチンにいるお母さんの元へ急いだ。白いエプロンを身に付けたお母さんは忙しそうに動いている。


「すみません、手伝います」

「あら、いいのよ。美琴ちゃんは主人と話していてくれれば、それで助かるのに」

「いえ、お父さんのお相手は泰士さんがするので大丈夫です」


サラダを盛り付けていたお母さんは私の言葉に軽く噴き出した。

なにかおかしなことを言いました?
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