直感的結婚~恋はこれから~
だけど、今日はお父さんの誕生日だからお父さんの好物にしてあげた方が喜ぶのでは?

お父さんが不機嫌になっていないかとそっと顔色を窺うと、満面な笑顔になっていて、それはそれでぎょっとする。


「いやー、今日は最高の誕生日だね。美琴ちゃんのおかげでこんないい海老が食べれるんだから」

「美琴ちゃんに感謝したほうがいいわよ」

「うん、そうだな。美琴ちゃん、ありがとう!」

「いえ、私は何もしていなくて……」


感謝されるなんてとんでもない。感謝したいのは私の方。


「美琴、食べよう」

「はい。………うわっ、本当に美味しいです! 嬉しくて涙が出そうです」

「喜んでくれて私も嬉しいわ」


大袈裟な反応かもしれないけど、大袈裟でなく本当だ。まさか今夜、伊勢海老が食べれるなんて思わなかった。シンプルな塩焼きだけど、海老の旨味を味わうには最高の料理。

私は隅々までしっかりと味わってからワインを飲み、幸せに浸る。美味しいものを食べると幸せな気分になれる。

それは私だけでなくお父さんもお母さんも同じみたいで、二人も「美味しいね。幸せ」と言っていた。
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