直感的結婚~恋はこれから~
「じゃあ、なんで背中を向けて寝るの? いつも思っていたんだけど」

「なんでと言われても……ただ恥ずかしくて」


寝るときは家でも泰士さんに背中を向けていた。

だけど、寝ている間に寝返りしてしまうようで目が覚めた時、泰士さんが目に飛び込んできたことは何度かあった。整った顔立ちをしている彼の寝顔はきれいでそのたびに心臓が大きく跳ねた。

寝顔を見るだけでもそんな反応になってしまうのに、起きているときに向き合うのは無理だ。

眠れなくなってしまう。

顔がいい男はそれだけである意味罪なのかも。

好きでもないのにドキドキしてしまうのは彼がかっこよすぎるから。

彼とは反対に、私の寝顔は絶対にきれいではない……。

そんな顔を初めから晒したくないので、出来ることなら今夜も背中を向けて眠りたい。

でも、なぜか許されなかった。


「ダメだよ。こっち向いて寝てよ」

「え、でも、こっち向きじゃないと眠れないので」

「いつもはこっち向きで寝てるよね?」

「あ……」


言われて気付く。
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