嘘は輝(ひかり)への道しるべ
運転席から真二が慌てて降り、愛輝の前へ掛け寄ってきた。
愛輝は真二の胸に泣きながら飛び込んだ。
強く抱きしめられた、真二の腕はたくましくて暖かい……
「濡れているじゃないか? とにかく中にはいろう…」
真二はドアの鍵を開け、愛輝を中に入れた。
真二は実家から離れ、一人で暮らしている。
部屋は2LDKで奥の部屋はギターやキーボードなど音楽に関する物で溢れていて、机の上にも楽譜などが乱雑に置かれている。
キッチンと繋がっているリビングは、黒のソファーが置かれ無駄な物は無く片付けられている。
愛輝も何度か真二のアパートには来ていた。
愛輝は真二のTシャツを着て、タオルで濡れた髪を拭いた。
真二がマグカップにホットコーヒーを入れて愛輝に手渡した。
「美香って子から連絡があって、愛輝が俺の所に来ていないかって心配していたぞ。今、連絡しておいたから……」
真二がコーヒーを口にして言った。
「美香ちゃんが…… 私、携帯もお財布も持って来なくて…」
「何が逢ったんだ……」
真二が愛輝の目をじっと見た。
「パパが本当のパパじゃ無かった…… 祐介さんが兄さんだったの…… 私、もう何が何だか分からなくなって、飛び出してきちゃった……」
愛輝は、マグカップを両手で包むように持って見つめた。
真二は、立ち上がると、部屋の隅のデッキへ手を伸ばした。
スピーカーから『嘘』が流れだした。
歌詞がまるで今の愛輝の気持ちを語っているようだった。
「おやじさんも、兄さんも愛輝を傷付けるために嘘をついていた訳じゃないだろう? 愛輝を守りたかっただけだ…… おやじさんはおやじさんだ、本当も嘘もないだろう?」
「でも私そんな事知らなくて、ずっと我儘言って甘えてばっかりで、パパを困らせて来たのに……」
愛輝の声は涙で擦れていた。
「それでいいんだよ。今までだってこれからだって、何も変わらないよ…… みんな心配している。そろそろ帰ろう…… 送って行く。ほら、服も乾いたみたいだ……」
乾燥機の終了の機械音が鳴った。
「でも私、パパになんて言えばいいの? どんな顔すれば……」
「何も言わなくていいんじゃないのか? おじさんと愛輝が過ごしてきた時間は事実なんだから、おやじさんが愛輝を大切に思って来た事まで否定する事は無いだろう?」
「でも……」
愛輝はまだ帰る決心が付かない。
真二は愛輝の側に歩み寄ると、愛輝を優しく抱きしめ、軽く唇を重ねた。
一度離れるとまた深く唇が重なっていく……
「これ以上一緒に居たら、愛輝を帰したくなくなる。時間が経てば経つほど帰り難くなるものだ。今なら何もなかったように帰ればいい。早く着替えて来いよ」
真二は、愛輝の背中を優しく押した。
愛輝は真二の顔を見ると、真二が側に居てくれる事に胸が熱くなり、愛しさでいっぱいになった。
愛輝はもう一度、真二の胸に飛び込み、絶対に真二を失いたくないと思った。
愛輝は真二の胸に泣きながら飛び込んだ。
強く抱きしめられた、真二の腕はたくましくて暖かい……
「濡れているじゃないか? とにかく中にはいろう…」
真二はドアの鍵を開け、愛輝を中に入れた。
真二は実家から離れ、一人で暮らしている。
部屋は2LDKで奥の部屋はギターやキーボードなど音楽に関する物で溢れていて、机の上にも楽譜などが乱雑に置かれている。
キッチンと繋がっているリビングは、黒のソファーが置かれ無駄な物は無く片付けられている。
愛輝も何度か真二のアパートには来ていた。
愛輝は真二のTシャツを着て、タオルで濡れた髪を拭いた。
真二がマグカップにホットコーヒーを入れて愛輝に手渡した。
「美香って子から連絡があって、愛輝が俺の所に来ていないかって心配していたぞ。今、連絡しておいたから……」
真二がコーヒーを口にして言った。
「美香ちゃんが…… 私、携帯もお財布も持って来なくて…」
「何が逢ったんだ……」
真二が愛輝の目をじっと見た。
「パパが本当のパパじゃ無かった…… 祐介さんが兄さんだったの…… 私、もう何が何だか分からなくなって、飛び出してきちゃった……」
愛輝は、マグカップを両手で包むように持って見つめた。
真二は、立ち上がると、部屋の隅のデッキへ手を伸ばした。
スピーカーから『嘘』が流れだした。
歌詞がまるで今の愛輝の気持ちを語っているようだった。
「おやじさんも、兄さんも愛輝を傷付けるために嘘をついていた訳じゃないだろう? 愛輝を守りたかっただけだ…… おやじさんはおやじさんだ、本当も嘘もないだろう?」
「でも私そんな事知らなくて、ずっと我儘言って甘えてばっかりで、パパを困らせて来たのに……」
愛輝の声は涙で擦れていた。
「それでいいんだよ。今までだってこれからだって、何も変わらないよ…… みんな心配している。そろそろ帰ろう…… 送って行く。ほら、服も乾いたみたいだ……」
乾燥機の終了の機械音が鳴った。
「でも私、パパになんて言えばいいの? どんな顔すれば……」
「何も言わなくていいんじゃないのか? おじさんと愛輝が過ごしてきた時間は事実なんだから、おやじさんが愛輝を大切に思って来た事まで否定する事は無いだろう?」
「でも……」
愛輝はまだ帰る決心が付かない。
真二は愛輝の側に歩み寄ると、愛輝を優しく抱きしめ、軽く唇を重ねた。
一度離れるとまた深く唇が重なっていく……
「これ以上一緒に居たら、愛輝を帰したくなくなる。時間が経てば経つほど帰り難くなるものだ。今なら何もなかったように帰ればいい。早く着替えて来いよ」
真二は、愛輝の背中を優しく押した。
愛輝は真二の顔を見ると、真二が側に居てくれる事に胸が熱くなり、愛しさでいっぱいになった。
愛輝はもう一度、真二の胸に飛び込み、絶対に真二を失いたくないと思った。