嘘は輝(ひかり)への道しるべ
 コンサートも終盤に入り、リョウが息を切らし大きく深呼吸をすると、マイクを持ち直した。


「今日は俺の我儘で、皆にお願いがあるんだ…」


「わー」「何?」

 突然のリョウの言葉に、会場のあちらこちらから声が上がる。


「残り後二曲なんだけどさ…… その前に、どうしても聞いて欲しい曲があるんだ。その曲は俺にはちょっと歌えなくて、バックのギターの木崎真二が作った曲なんだ。めちゃくちゃいい曲だから、皆にも聞いいて欲しいんだよ! たまには俺にもバックギターやらせてよ! いいだろう! お願いしま―す!」

 リョウと共に、真二以外のバンドのメンバーが頭を下げた。


 真二は驚きを隠せず、呆然としている。


 リョウが、真二に近づき肩を叩く。


「おい!」



 真二が声を上げたが、リョウはギターを肩にかけ、弦に指を置いた。



「え――っ」「きゃっ――」「いいよ!」

 様々な声が会場から上がっている。



「嘘は輝(ひかり)へのみちしるべ…」



 リョウの声と共に、スポットライトが真二へと移った。



 覚悟を決めたように、真二のギターの音が会場に静か響き出した。



 そして……


 真二は、愛輝へ真直ぐに目を向けた……

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