嘘は輝(ひかり)への道しるべ
 ギターの音と同時に、ステージのリョウにスポットライトが当たり、客席からの歓声と同時に皆が一斉に立ち上がった。

 愛輝も会場の勢いに立ち上がった。
 サビに入ると、会場中が同じリズムで拳を上げる。

 愛輝は、ただじっと真二だけを見ていた。


 ノリの良い曲が三曲ほど続き、リョウのMCに入った。
 リョウのトークに会場中が笑う。


「次は『嘘』」

 リョウの言葉に、「わっ――」と会場から歓声があがった。


 イントロが流れだすと会場は静まり、ステージのリョウに熱い視線が集まる。



 その時、真二がふと客席に目を向けた。


 愛輝の姿に気付いた真二が、愛輝の目をじっと見た。


 愛輝は手を伸ばせば届きそうな真二の姿に、触れる事の出来ない遠い距離を感じた。



 愛輝の目から涙が落ちる。


 サングラスの奥の真二の目から、一筋の涙がキラリと光った。


 出来る事なら走って行って、胸に飛び込んでしまいたい……


 切なく見つめ合ったままの二人に、リョウの甘い歌声が気持ちを確かめるかのように胸に響いていた。


 
 
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